方言漢字

「方言漢字」は笹原宏之先生による地域特有の漢字の読み方・使われ方について解説された本です。
「横浜」をオシャレに「横濱」と旧字体で書くのをよく目にします。仙台の近くには閖上(ゆりあげ)という地名がありますが、「閖」はこの地名のために江戸時代に作られた字です。このような一部の地域でしか使わない漢字や、特有の読み方などをまとめ、近年の高齢化や過疎、市町村の合併などで減りつつある地域の漢字文化について論じています。
東京の渋谷や世田谷のように、「谷」を「ヤ」と読むのは東日本特有の読み方だそうです。また、「山崎」「中島」のような名前は、西日本では「サキ」「シマ」のように濁らないで読むのが一般的だそうです。
漢字は一つの言語の中で数千、数万の文字を使い分ける個性的な文化ですが、覚えれば便利で勉強するとおもしろいものです。日常でよく見聞きしているあの字も、実は他の地域では通じないような珍しい字かもしれません。そんな意識を持っておくと、普段の生活もちょっと楽しくなると思います。

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