「格」という漢字の訓読みをご存じでしょうか。3つあって、送り仮名は「格つ」「格す」「格る」です。
答えはそれぞれ「うつ」「ただす」「いたる」です。これらは常用漢字表に載っていない「表外読み」です。
普段あまり見かけることのない読み方ですが、熟語では聞いたことがあると思います。「格つ」は叩く・殴るといった意味で「格闘」の格、「格す」は正しくする意味で「格言」の格です。「格る」は到達するという意味で「格物致知」に使われるほか、「合格」の格はこの意味とも取れます。常用漢字で書き換えると「打つ」「正す」「至る」になります。
柳田国男「地名の研究」を読んでいたところ、「風」という字が何度か出てきました。振り仮名がありませんでしたが「かぜ」の文脈ではなかったので、おそらく「ならわし」(「風習」の風)として使われています。昔に書かれた本を読むと、普段見慣れない使われ方の漢字がよく出てきます。文脈だけでもなんとなく伝わりますが、そこで読み飛ばさず調べてみると新たな発見があって面白いです。文豪が使う当て字は独特なものも多いですが。
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