最近、三宅香帆さんという文芸評論家の方の書いた、
「考察する若者たち」(2025年11月 PHP新書)という新書を読み、
その中に登場する、若者の間に広がっているという「報われ消費」という言葉が興味深かったです。
ざっくり言うと「ちゃんと報われることが保証された消費行動」のことで、
何かを買う時にSNSでインフルエンサーが評価している商品を買うとか、
ストリーミングサービスからレコメンドされた自分の好みに近い音楽を聴くとか、
ドラマやアニメをただ見るのではなく、考察して正解を当てるプラスアルファの楽しみ方をするとか、
より確実で、より楽しめるものを重視するような考え方です。
SNSではインフルエンサーが「これ買ってよかった」「これは微妙」とレビューしてくれ、
映画やアニメの考察動画や投稿が大量に流れてくるし、
音楽や動画も、プラットフォームが「あなたへのおすすめ」をどんどん出してくれる。
誰でも「最適解」にたどり着きやすくなっていると感じます。
時間もお金も無い中で確実に「最適解」を選びやすいので、
こういった「報われ消費」を加速させる仕組みには助けられている面もあります。
でも、「最適解」から外れた偶然の出会いによって新しい好みを発見できたり、
同じものを観ても人によって解釈が違ったりすることも面白いし、
映画も音楽も小説も、全部が「最適解」だけになってしまったら、個人的にはある意味少し退屈だなと思います。
たまには、レコメンドに出てこないような変わったモノも接種したいし、
絶対の正解がある「考察」ばかりでなく自分だけの感想も持ちたい。
「最適解」以外に出会う余白は、ちゃんと残しておきたいなと思いました。
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